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今年はオンライン会場からも発信する国際短編映画祭「SSFF & ASIA 2020」の注目作品をチェック。

米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2020」が9月16日から27日まで開催予定。オンライン会場は8月1日(土)よりオープン。 今年は「(ニュー)ボーダレス」をテーマに掲げ、国内外の映像作家たちによる多様な視点で ショートフィルムを紹介。日本初公開作品や、特別上映作品もお見逃しなく!
声なき声に優しく耳を傾ける今年の上映作品たち。

少女の視点を通じて描かれる『彼』。『彼』の監督と脚本はセルビア出身のマーシャ・クラーク。

今年はオンライン配信での展開を拡充して開催される「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)2020」。112の国と地域から応募された作品の中から厳選された約200作品が上映予定だ(https://www.shortshorts.org/2020)。

多様な生き方が交差する『ビューティー・ボーイズ』。『ビューティー・ボーイズ』はフランスの小さな村に住む10代の男性たちがドラァグに挑戦する物語。多様な生き方を描く「Shibuya Diversity プログラム」で上映。

2020年のテーマは「(ニュー)ボーダレス」。映画を通じて国内外のクリエイターたちによる多様な視点を紹介するのはもちろん、オンラインだからこそ世界が繋がる、新たな映画祭のあり方を一緒につくりたい、という映画祭主催者たちの思いも込められている。

他人の生活を覗き見する『向かいの窓』。『向かいの窓』のマリア・ディッジアは人気ドラマ「13の理由」にも出演していた女優。

特に注目をしたいのは、視点を変えることで価値観が揺さぶられる作品たち。『彼』は、少女が父親の昔の恋人と遭遇し、父親の見え方が変化していくという映像的にも美しい作品。『ビューティー・ボーイズ』は、メイクをすることで勇気を持つことができる10代の少年たちと周囲の人間関係を描いている。そして、今年のアカデミー賞短編実写映画賞を受賞した『向かいの窓』は、向かいに住む若いカップルの生活を覗き見する中年女性の物語だ。実は、同作品は「SSFF & ASIA 2019」に正式出品され、主演のマリア・ディッジアは昨年のベストアクトレス賞を受賞。今回は特別に再上映されるので、この機会をお見逃しなく!

日本初公開となる作品や、ポン・ジュノ監督作品などもチェック。

今年のアカデミー賞助演女優賞を受賞したローラ・ダーンジョニー・デップなどが出演する『ブラックガイアンドラ』は日本初公開となる。構想、脚本、主演も務めたアンソニー・コンティ(写真、左)は当時16歳のガン患者。彼の映画作りの夢を叶えるためにハリウッドの映画人たちが結集した話題作だ。また、アカデミー賞作品賞を受賞したポン・ジュノ監督が学生時代に製作した『支離滅裂』も必見。社会の矛盾をユーモラスにとらえる洞察力は圧巻だ。

Short Shorts  Film Festival & Asia 2020
SSFF & ASIAは、米国俳優協会(SAG)会員でもある別所哲也を創立者に、「アメリカン・ショートショート フィルムフェスティバル」として誕生。2004年に米国アカデミー賞公認映画祭となる。現在は、アジア最大級の国際短編映画祭だ。2020年はコロナ禍で6月の開催を延期し、オンライン会場などでの展開を拡充して新しい時代に向けての映画祭へと進化。

Editor: Mihoko Iida